第45章 告白、そして…
ローの体温を感じてホッとしたのも束の間、モモは伝えなくちゃいけないことがいくつもあることを思い出した。
「あ、あの、ロー! 実は…--」
「海軍の軍勢が来てるんだってな。お前、見つかっちまったのか。」
あ、知ってたんだ…。
「そうなの。それで、実はわたし…--」
「セイレーンとかなんとかって、それで狙われてんだろ。」
「え…、あ…。」
それも知っているの?
しかもそれは1番言わなくちゃいけなかったことで、モモは唖然とした。
「サクヤとコハクから聞いた。」
海軍が迫っているのなら、悠長に隠している場合ではなかったのだろう。
自分が説明を先送りにしていた結果だ。
だけど本当は、ちゃんと自分で説明したかった。
「あの、わたし…。」
「隠してたワケじゃねェってんだろ。…わかってるよ。」
「……。」
その通りだ。
その通りたが…、なんだかいたたまれない気持ちになった。
「くそ…ッ、トラファルガー・ロー! やはりお前がセイレーンを所持していたのか!」
海兵の叫びに、モモは眉をひそめた。
“やはり”ということは、海軍は自分がハートの海賊団にいることを知っていたというのか。
(あ…ッ、きっとシャボンディ諸島の一件で…!)
あの時モモは、天竜人に攫われそうになった。
瞳の色が美しいから、奴隷にするといって。
天竜人は政府の庇護のもとにある。
ローは今や有名人だし、その情報が政府に漏れてもおかしくはない。
今さらながら、あの時の自分の軽率さに腹が立つ。
「ロー、たぶんシャボンディ諸島で…--」
自分の推測を話そうとしたが、見上げたローの表情がひどく怒っていた様子だったので口をつぐむ。
「オイ、今、なんつった?」
ローは海兵に向かって怒気を放つ。
「てめェ、今“所持”とか言いやがったな。」
「そ、それがなんだ!」
上半身のみで地面に転がる海兵は、懸命にローの威圧に耐えて吠える。
「コイツはな、モノじゃねェんだよ。口の利き方に気をつけろ!」
モモがまったく気にもしていなかった部分にローは怒り、海兵が口が利けないよう頭上から刀を下ろし、真っ二つに分断させた。