第45章 告白、そして…
「か、海軍の軍勢ですって…!?」
「こ、ここ、殺されるゥ~!」
まず反応したのは麦わらの一味。
とはいっても、ここにはナミ・チョッパー・ロビンの3人しかいない。
他のクルーは街に出てしまっていた。
「早くあいつらを呼び戻さないと! 特にルフィなんか、すぐやっかい事を起こすんだからッ」
「ええ。でも、どうして海軍の軍勢がこの島に来たのかしら…。」
そこそこ賑わった街だとはいえ、海軍が軍勢で押し寄せるには違和感がある。
「どちらにせよ、さっさと島を出た方が利口だな。ナミ屋、ログは?」
「溜まってるわ!」
「なら、早く麦わら屋たちを探してこい。ウチの連中もすぐに集める。揃いしだい出航だ。」
話がまとまりかけたところで、サクヤが口を挟んだ。
「いや…、もしかしたらヤツらの狙いはモモかもしれぬぞ。」
ハッとするようにコハクの肩が揺れる。
「モモが…? アイツが薬剤について特別な知識を持っていることは知っているが、軍勢を率いてくるようなことか?」
世界樹ユグドラシルから授かった知恵。
彼女はその知恵のせいで海軍に追われていると、以前コハクから聞いた。
「ああ、お前は知らぬのだったな。」
しかし、サクヤはそのことではないと言いたげに首を横に振る。
「…どういう意味だ。」
それではまるで、他にモモが狙われる理由があるみたいに。
サクヤはローの問いに答えず、コハクを見下ろした。
「コハク、なぜお前たちが仲間に話さぬのかは知らぬが、ホワイトリストを甘く見ぬ方がよい。」
「……!」
サクヤの言葉に、彼女がモモの正体を理解していることを知る。
「ホワイトリスト? なんだ、それは。」
「……。」
言わなかったのは、隠していたわけではない。
モモがきちんと話したいと願っていたから、コハクからは言えなかった。
モモだって、隠していたつもりはないだろう。
ただ、色々ありすぎて、タイミングを逃して…。
でも、言うべきだったんじゃないのか。
もっと早く。
こうなる前に、どうして。