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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第2章 解かれた封印




モモが家へ帰ると、さっきまで晴れてた空が急に曇り、大粒の雨が降り始めた。

(良かった、もう少し遅かったら濡れちゃうとこだった。)

窓を叩く雨音は次第に大きくなってくる。
ゴロゴロと空が鳴る音も聞こえてきた。

先程市場で購入したものを整理しながら、広場で会った少女のことを思い出した。

(あの子、大丈夫かな…。)

両親が多忙でいつも家にいない、とよく話していた。
こんな日に一人きり、怖い思いをしていないだろうか。

彼女の親友を助けられて本当に良かったと思う。


ゴロゴロ…ピシャーン!!


ひときわ大きく、雷鳴が轟いた。



コンコン


雷に身を竦めていると、突然玄関がノックされた。

訪問者だ。

(こんな天気なのに、誰かしら…。)

よほど急用なのだろう。
もしかしたら急病人かもしれない。

村人の中にはモモの腕を信用して、病院よりもモモを訪ねる者もいた。


急いで家のドアを開けた。


ピシャーン!!


雷鳴と共に眩しい光が目を焼いた。


激しい雷光の中、モモはゆっくりと血の気が引いていくのを感じていた。


「こんばんは、こんな天気の日に悪いね…。」

光の中から現れた訪問者は、海兵だった。


「君が、『奇跡の歌い手 セイレーン』だな?」


この時、長らく平和の中でぬくぬくと生きていた頭が、思い出した。

自分は追われる身、なのだと。


市場で店の店主が言っていた。
「大きな船が来た」と。

なぜ気がつかなかったのか。

今日、港に来た船は海軍船なのだと。


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