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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第44章 剣と秘薬




甘い責めに思考を掻き乱され、モモは熱っぽく彼を見つめた。

身体を重ねる恐怖など、もはやどこかへ弾け飛び、しだいに深くなっていく律動に身をゆだねる。

(ああ…、ダメよ。)

自分がめちゃくちゃになってしまうような感覚に、モモは唇を噛みしめて耐えた。

快感に溺れて、唇が言ってはいけないことを紡いでしまわないように。

あなたに“愛している”と言ってしまわないように。


「…そんな顔をするな。」

耳もとでローが囁き、優しく頬を撫でた。

「……?」

そんな顔って、どんな顔?
わからなくってローを見上げた。

見つめ合えば、当然のように唇が重なる。

熱っぽい呼気が混ざり合い、思わず腕をローの首に回して繋がりを深めた。

「モモ、お前が好きだ。」

重ねているのは肌だけではない。
ローは心も重ねようとしている。

けれどモモの心には、未だ見えない鎖が絡みついていて、想いを交えることができない。

(ごめんなさい…。)

せめて身体だけは通じ合いたくて、抱きしめる力を強くしながらローにしがみつく。

結合部の高ぶりがますます膨れ、身体を揺らす抽挿がいっそう大きくなった。

玉の汗が背筋を滑り落ち、全身の筋肉が張りつめていくのを感じた。


「ふ…んッ、く…あぁ…ッ」

口もとに手を当て、必死に嬌声を押し殺す。

「ロー…ッ」

彼の名前を呼べば温かい眼差しで応えてくれる。
その喜びに中にいる彼を締めつけてしまう。

「……ッ」

苦しげに呻くローの先走りの滴が愛蜜と混ざって零れ出す。

耳朶を噛まれ、体重が下腹部にかかる。
律動が早まり、自分と同じようにローも果てが近いことを感じた。

「あ…あ…ッ、ロー…ッ」

抱え上げられた両脚がひくひくと震え、唇からは律動に合わせた恍惚の吐息しか出ない。

甘く香る肌に全身を包まれれば、絶頂の誘惑が押し寄せてくる。

「モモ…ッ」

「あぁ…ッ」

ローの腰がひときわ大きく突き上げ、モモは蜜壁を収縮させながら甲高い声を上げた。

荒い息を繰り返しながら、欲望の白濁がモモの腹部をどろりと濡らす。

吹き飛びそうな意識を、モモはかろうじて留めることができた。




『ねえ、ロー。あなたはわたしのどこが好き?』

『わたしはね…。』




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