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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第44章 剣と秘薬




「島に着いたぞォーー!!」

けたたましいルフィの雄叫びと共に、海賊同盟の2船はとある夏島へ到着した。

「おい、待てよルフィ! ひとりで先に行くなッ」

猛烈な勢いで飛び出していくルフィを、ウソップが慌てて止める。

なんでも彼は、ひとりで出歩くと必ずトラブルを起こすという癖があるらしい。

「どこの船も、船長に苦労させられるのね…。」

「あ…? なんか言ったか?」

モモの呟きがローの耳に入り、眉を寄せられた。

「なんでもないわ。わたしたちも行きましょ。」


「ああ、モモ。待って待って。」

そそくさと船を降りると、途中でナミに引き止められる。

「なぁに?」

「ほら、コレ。被っていきなさいよ。」

手渡されたものは、つばの大きなハットだった。

「帽子…?」

意図がわからずきょとんとすると、ナミは呆れたようにため息を零す。

「紫外線対策よ。あんたどうせ、なんにもしてないんでしょ?」

「あ…。」

そういえばすっかり忘れていた。

「せっかくの白い肌が焼けちゃうわよ。」

女として失格よ! と指を立てられ、モモは苦笑する。
自分に“女子力”というものが備わっていないのは、重々承知しているから。

「ありがとう、借りるわね。」

ナミの好意をありがたく受け、白いハットを被った。


「じゃあ、行きましょっか。この島の街はけっこう栄えているのよ。たくさん買い物しなきゃ!」

「んナミさぁーん! 俺、荷物持ちするよ!」

「ありがと、サンジくん。」

手際よく荷物持ちまで獲得したナミに、半ば感心した。

「これが女子力…!」

「イヤ、違ェだろ。」

ちょっとズレた感想を漏らすモモに、ローは思わず突っ込んだ。

モモが言うなら喜んで荷物持ちくらいするが、できれば ああはなってほしくないな…と思うローだった。



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