第43章 覚悟

身体が熱くて堪らない。
絶えず律動が繰り返される結合部はどろどろに溶け、そこを中心として身体までも溶けていくようだ。

狂おしいほどの快感に、幾度となく意識が飛びそうになるけど、そのたびにローの屹立が敏感な蜜壁を抉り、モモを激しく鳴かせた。

｢あぁッ、ん…は…ぁッ｣

身体の揺れに合わせてベッドが軋み、肌と肌がぶつかる音が大きく響く。


｢……モモッ｣

掠れた声で名前を呼ばれると、切なくなって震える。

それと同調するように、蜜壺内もぎゅうっと収縮した。

｢く……ッ｣

なにかを堪えるように顔をしかめる彼の表情ですら、モモに快感を与える。

｢煽るんじゃねェよ…。まだ、終わらせたくねェ。｣

｢ひぁ…んッ｣

お仕置き…とばかり胸の先端を摘ままれ、モモはビクリと背中を仰け反らせる。

そうすると、ふるりと揺れた乳房をローの前に突き出す恰好となり、赤く色づく先端を口に含まれた。

｢あ…ッ、やぁ…ッ｣

ただでさえ、おかしくなるくらいの快感を与えられているのに、そんなことをされてしまっては堪らない。

舌先で転がされるたびに走る刺激と、ズチュヌチュと注挿されるたびに走る刺激が相まって、めちゃくちゃに喘いだ。


｢はぁ…、あぁ…ッ｣

快楽の波がとめどなく押し寄せてきて、目の前がチカチカする。

ここまま飛んでいってしまいそうだ。

もし、飛んでいったのなら、次に目覚めた時、ローは隣にいないかもしれない。

ふいに恐怖を感じて、モモはローの背中に腕を回し、離れていかないように爪を立てた。

｢……ッ、だから…煽んなって。｣

｢あ…ッ｣

モモの中にいるロー自身が、いっそう質量を増す。

ビクビクとした脈動が蜜壁越しにでも伝わってきた。

彼もまた、モモと同じように快楽の波と戦っているのがわかる。

例えこれが夢だとしても、同じ気持ちを共有できることが、とても嬉しかった。

｢ロー…。｣

上擦った声で名を呼べば、ローの口元が嬉しそうにほころぶ。

ただ名前を呼んだだけで、どうしてそんなに嬉しそうにするのか、モモにはわからなかった。