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ハコの中の猫 【黒執事R18】

第3章 第3話


 映画に疎い私は、とりあえずそのタイトルでネット検索をしてみた。どうやら、イギリス系の洋画らしく、今話題の映画らしい。どうやら恋愛モノで、巷ではカップルで観るのがブームらしい。キーワード検索をして引っかかった画像では、主役と思しき綺麗な女性と背の高いイケメン男性が抱き合っていた。これは確かに、男性一人では映画館に入りづらいだろう。セバスチャンさんは、翻訳家と言っていたし、この映画だってもしかしたら仕事の一環として観に行くのかもしれない。そういうことなら、こんな私でも、この間のお礼ができるかもしれない。
『確かに、あの映画は、男性一人では行きづらいみたいですね(^^)。私でよければ、行かせてください。』
 正直、こんなお洒落そうな映画には縁もゆかりも無い私で、友達から誘われたとしても、彼氏と行けばいいじゃんとか適当に言って、パスすること間違いない。
『では、朝十時に、結衣さんのマンション前でどうでしょう?迎えに行きます。』
 いやいやいや、さすがに今回も車を出してもらっては悪い。慌てて返信する。
『いえ、今回も車を出していただくのはさすがに申し訳ないので、現地集合とかにしませんか?どうぞお気遣いなく!』
 送信ボタンを押して、ふぅ、と小さくため息をつく。その瞬間、電話着信音が鳴り、今吐いたばかりの息を、驚きと共に一気に吸い込んでしまった。着信画面には、まだアドレスに入れていないセバスチャンの携帯番号が表示されていた。私は、妙なタイミングで吸い込んでしまったもう一度息を吐き直してから、通話ボタンを押す。
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