第1章 審神者として
それから、清光は「もっと主を構ってあげたいけど、あんまりここにいると安定が拗ねるから俺行くね!おやすみ~!」と呑気な声で言いながら部屋に戻った。
どうやら、安定の方は手入れをする必要が無かったんだな。と後で思う。
「…安定ともう少し打ち解けられたらな……」
今日の報告書を書くため、墨の準備をしながら呟く。
私の来た未来の国によって定められた紙に毎日あったことを書く。特に書き方に決まりはないみたいだが、どのような経緯を辿るのかその紙はいつも、いつの間にか消えている。
きっと国が回収しているのだろうが、国も監視しているだろうにどうして審神者に書かせるのか……。
「…そろそろ安定を鍛刀してからしばらく経つな。」
報告書を書きながらそんな事を思う。
そろそろ次の鍛刀をしなければ、彼らの負担が増えるばかりだというのは分かっている。
分かってはいるのだが―………