第2章 出陣の日
戦う時は息がぴったりなのに、普段は正反対だ。
次郎ちゃんが飲み散らかした残骸を片付けようとしている国広くんを止めてから、部屋に戻ってもいいように言う。
この残骸は明日本人に片付けさせるとして…
止めようか迷ったが、しばらく放置して眺めることにした。
「だいたい傷が付いても手入れして貰えば治るし、少しくらい床に顔ぶつけたくらいで傷ができる訳ないだろ!」
「そういう問題じゃない!俺の可愛さが損なわれたら困るって話をしてるんですけど!?」
「別に困らないよ!!」
「俺が困るから?!可愛いに越したことないでしょ!」
「おまえは何を目指しているんだ!!」
「可愛い方がみんなに構って貰えるって事だよ!!ねえ?!」
急に思い出したのか、すごい速さで清光の顔がこちらを向く。
そんな話題を振られても…
「ええと……」
返答に困っていると、今度は安定が声を上げた。
「そうだ!こんな馬鹿と遊んでる場合じゃなかった!」
「え?!?!」
清光が文句を言っていたが、そんなことお構いなしとでも言うように突然私の手を取って安定が走った。