第2章 出陣の日
「…いった!!!!!」
勢いよく後ろに倒れ、頭を打つ。
「ちょっと清光!!!」
すぐに清光が抱き着いてきたのだと理解して怒ろうとしたが
「主よかった!!!俺、本当は主の傍にいたかったのに次郎が…!!!」
ねえ無事?!大丈夫なの?!
よほど興奮しているのか、私の上に乗っていることも分からないようで、そんな清光を怒る気力も次第に無くなっていく。
「うん、大丈夫。ありがとう」
それよりどいて。
そう言うつもりだったが、口を開くより先に軽くなって視界から清光が消えた。
「主を押し倒していつまでも上に乗るなこの馬鹿。」
そういうと安定が手を引っ張って起こしてくれた。
「ちょっと!俺の可愛い顔に傷でも付いたらどうすんのさ!!」
すぐに立ち上がってスパンと片手で私と安定の手を放す。
…またいつものが始まった。