第2章 出陣の日
バタバタと足音をさせながら一気に走る。
4人がいるといわれた部屋の前で止まると勢いよく障子を開く
「次郎ちゃん!!!!」
開口一番に叫んだが、現状を見ると遅かったことに気付く。
「……主…」
「………」
いまいち状況を理解していない清光から情けない声が出る。
安定はまだ追いついていないのかこちらを見て固まっている。
「少し前に寝てしまわれました…」
少し驚いてはいたものの、国広くんが教えてくれる。
次郎ちゃんの周りには浴びるほど飲んだのか残骸が多くある。
「……しまった。明日、遠征頼もうと思ってたのに…」
本丸に着いたら言おうと思っていた自分の甘さを呪いそうになる。
これだけ飲んで寝てしまったのなら、明日の夕方に起きてもおかしくない。
「…主?」
「ん?」
後ろから呼ばれ振り返ると、未だに驚いた顔の清光と目が合う。
「…なんて顔してるの。」
まるで化け物でも見ているかのような顔をしている。
心外だな。なんて思っているといつの間にか後ろに倒れていた。