第2章 出陣の日
「大丈夫?少し休む?」
3人で移動している際も、通常の倍近くの敵が襲ってきた。
あまり強くはないみたいで2人も余裕のある戦い方をするが、それでも普段より多い敵と私を守る事が重なり少し疲労が溜まってきているようだ。
「……え?」
今一瞬だけ、『ひゅっ』と風を切る音がした気がした。
そこからはスローモーションみたいだった。
少しだけ前を歩いていた2人が勢いよく振り返るのと、私の真横ギリギリを弓矢が通り過ぎていった。
そしてもう一度同じように風を切る音がー………
「………っぶな!!!」
今度はパキンという音と共に目の前に見覚えのある姿が現れた。
「……師子王!?」