第2章 出陣の日
次郎ちゃんの声だった。
今からくるであろう敵に背を向ける事が出来ない為こちらを向いてはいないがしっかりと、はっきりしたその声からは強い気迫が感じられた。
「アタシと石切丸はここで敵を食い止める事が今の仕事だし、国広と師子王がいなけりゃ上からの敵には対応できないからね!!」
「でもそれじゃあバラバラになってしまうでしょ!?」
「大丈夫だよ、絶対後で追いつくから…はやく!!」
見ると先ほどよりもかな近くまで敵が迫っている。
「主!!」
「主いこう!!」
安定と清光もこの状況が続くのはまずいと思ったのか片方ずつ手を引っ張る。
「…絶対追いついて!!!」
「任せな!アタシ達を誰だと思ってんだい!」
引っ張られながらも後ろを振り返り4人の顔を見る。
「主、急いで!!」
清光が焦りの色を滲ませる。