第2章 出陣の日
「ここが戦場…?」
多少の木々はあるものの大半は草原地帯で、敵陣がどこにいるのかも分からない。
いつもここでという訳では無さそうだが、もしかしたら今回は少し本気で私たち審神者の命を取りに来ているのかもしれない。
「………!?」
「早速動いたみたいだねぇ…」
突然の金属音。
先頭にいた次郎ちゃんが向いている方を見ると天狗のような恰好をした小柄な男の子が戦っているところだった。
「あれは誰なの?」
私を庇うように前に出た清光と横にいる安定に聞いてみる。
安定はどちらかというとその男の子が気になっているようだ。
「あれは今剣。うちでいう五虎退と同じ短刀だったはず。」
「ってことは、他の部隊の……」
「来る。」
横にいた安定が静かに言うと共に、今剣がいた少し後方から大きな薙刀が空中で回転しながら敵に突き刺さった。
「凄い…!手元から離れているのに今の一撃で重症に追い込むなんて…」
重症に追い込まれたまま、戦闘不能になった敵はそのまま消滅してしまった。