第1章 審神者として
それから、清光の言う通りその後3回ほど演練をして国広くんの様子を見た。
清光や安定のように一撃に重さはないが、鍛刀初日の演練とは思えない程偵察が上手い。
「3人ともお疲れ様。全部…とはさすがに言わないけど資材も戻ってきたことだし良かったかな。」
「全部どころか三分の一くらいしか…」
「安定うるさいよ。」
珍しく安定から言い返してきた。余程わたしの鍛刀の下手さに驚いたのだろう。
「そういえば、演練だからあんまり無いかもしれないけど…誰か手入れがいる人いるかな?」
演練だから多少は相手を選べるところもあり、滅多に手入れなど必要が無いのだけど―……
「ん?国広くんどこかあった?」
気まずそうな顔をしつつ、国広くんが近づいてくる。
「そっか、じゃあいこっか!2人は自由にしてて!」
清光と安定に言い残して国広くんの手入れをするべく歩き出した。