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春冬狐~しゅんとうこ~

第2章 ついに目を覚ました!


  実はね、ここがおかしいのは僕のせいなんだ。」

「え?どういうこと?」

 「これも全部、この木に教えてもらったことなんだけどね。
  僕は生まれてすぐこの木の下に捨てられたんだ。」

「えっ・・・。」

 「ちょうど時期が春だった。
  この木にも桜が咲いていて、不思議な実が1つなっていたんだ。
  僕はすごく痩せこけていて、まったく泣きもしなかったらしい。
  だからこの木がそのなっていた実を僕に食べさせたんだ。
  そしたらこの地域一帯、1年が過ぎても春が終わらなかった。
  世界のバランスが崩れると思ったこの木が、この場所に僕を封じ込
  めたんだ。
  だからここだけは、年中春なんだ。
  誰もここの存在を知らないし、入ることも出来なければ出ることも
  出来ない。」

「・・・え?今、出ることもって言った?」

 「え?うん・・・?」

「ちょっと待って、私入れたよ?!」

 「あっ!!」

「私出られないの?!」

 「分からない、今まで人が入ったことがないから・・・。」

「試してみるしかないってこと・・・?
 ・・・よし、行こう!・・・えいっ!!」

バチバチッ

沙菜は見えない壁に遮られてしまった。

「いたっ!」

 「っ!!大丈夫?!」

「うん、・・・でも私、出られないみたい・・・。」

『出られない!出られない!』『あの方が目覚める!』『運命の時だ!』
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