第1章 一周年!そしてーー
🌸🌸🌸 おまけ
「ケーキをあげる前に、倶利伽羅と羽子板で対決してもらいます!」
乱はそう言うと、背中から普通の桜が描かれた羽子板を出してきた。
「えっ!?」
その羽子板をウチに渡してきて話がどんどん進んでいく。予想していなかった事に感動で流した涙が引っ込んだよ!?
「五回勝負で、一回でも倶利伽羅に勝てたら倶利伽羅特性のケーキをあげる。でも、五回とも負けたらーー罰ゲーム!」
「罰ゲーム…だと…!」
当の対戦相手の倶利伽羅は、黒色の倶利伽羅龍が描かれた羽子板に、羽を手に持っていた。
「加州、罰ゲーム決めて!」
乱は加州にとんでもない提案を提示した。マジかよ!?
「じゃあ…ホラー映画見ようか。顔とか耳とか隠したり、塞いだりするのはなし!」
凄く清々しい程の笑顔を見せて、サラッととんでもない事を口にした。
「おま、おま!?」
「何?別に倶利伽羅に一回でも勝てば、ホラーは見ないで済むんじゃん。」
何故、乱はウチに対して手酷い加州に聞いたのだ?うわあ~コレ、勝てなかったら誕生日が命日になるよ…。
「慣れ合うつもりはないが、手加減するつもりもない。」
「ガチなパターンじゃないですか!嫌だ~!!」
倶利伽羅の目は真剣そのものだった。コレはケーキは諦めて、ホラーに対しての覚悟を決めなくては…。
突然の乱の発言に、感動した誕生日は何処かに行って、いつも通りのウチの本丸ならではのモノになった。
これが、この先もずーっと続けばいいのに…。
「ねえ、チョコは?」
「えっ…。」