第1章 一周年!そしてーー
「主よ、我らの主になり、我らを大切に使ってくれて有難う。そして、これからも俺達が主の前から消えるまで宜しく頼む。」
三日月が入った青い目がウチを捉える。三日月さん…何でそんな事言うんですか…!
「それは!それは…こっちの台詞ですよ~!!こんな最低で最悪なウチを助けてくれて、守ってくれて、ありがとう!!消えるまでじゃなくて、ずっとだよ~!!」
天下五剣の言葉で涙腺が完全に壊れた。それに、馬鹿な人間の時空戦争に参加させてるウチに”有難う”って。どんだけ良い奴等なんだよ!
完全に泣き始めたウチを皆は笑って、微笑んでくれている。ウチの頭にぶっきらぼうな、三日月さんのそれとは違う手が頭を撫でる。
「年甲斐もなく大声で泣いてさ~。全くーー、」
困った主だよね。髪がぼさぼさになる位にガシガシと撫でられる。いつもの加州だ、嫌味を言う加州。でも、優しい。
「前にも言った通り、主はお前だけ。俺達の主はお前だけだから。皆、祝いたいって言ったら、色々計画立ててくれた。飾りも料理も設置も。」
涙の流れる目を擦って、皆を見ると照れたように、誇らしげにウチを見ていた。
「有難う…ありがとう…!!」
多分、ぐしゃぐしゃな顔だと思う。でもその顔で笑って感謝の言葉を口にした。
今年も家族や友達に祝ってもらうだけなのかと思ったのに、こんなサプライズがあるなんてさ~。誰も思ってないよ。寧ろ、そんなの無いと思ってた。
「主様に一年幸運が訪れますように!!」