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審神者と刀剣と桜 ~番外編~

第1章 一周年!そしてーー


 ウチが今いる所は見覚えのある所だった。
 本丸ーー刀剣男士達がいる寝殿造りの様な、お城の様な大きな木造の日本様式の建物。
 ここにいるって事は…<時空の狭間>にいる事が理解できた。

「でも、この部屋は大広間…?」

 と言っても、大広間の前の廊下に一人と二振りで立っていた。障子の扉がしっかりと閉じられていて、部屋の中から賑やかな声が聞こえる。
 現実世界で暮らしているウチはここへ来る事は時間が出来た時以外、特になかった。前はここへ住んでいたけど、あれは別の時間軸のウチの事だ。

「大広間が賑やかなんですけど。何かやってるんですか?」
「入ってからの楽しみだよ!」
「君が、今宵の宴の主役だ。」

 それだけしか言ってくれなくて、はあ?と口から出てしまった。そんなウチなどお構いなしに、二振りはそれぞれ障子に手を掛けた。

「やあやあ、我らが主が登場だ!」
「お待たせ!主役が来たよ。」

 障子が両開きで開けられる。今だ理解等出来ていないウチの耳にクラッカーのあの大きな音が響く。鼓膜が破れそう…。
 目を瞑って、耳を塞いだ。音が治まったと思いそれらを止めれば、目の前に驚きの光景が広がっていた。

「主様!」
「千隼!」

 主だったりウチの名前を呼んで笑顔を向けてくれるもう一つのウチの<家族>。

「何コレ…。」

 驚きのあまり呆然と立ったままでいるウチを源氏の重宝達は背中を押してくる。

「そこでボケーっと突っ立ってられると、俺等が困るから。」
「早く!折角の料理が冷めちゃうから!!」

 加州に大和君に促されるまま自分の席だと言われた場所に、訳も解らずに座った。
 それから始めの光景になるのには、そんなに時間はかからなかった。

🌸🌸🌸

「あるじさんに、ぼくと倶利伽羅と蛍丸に愛染から美味しいプレゼントがあります!」

 目の前に広げられた大量の料理が三分の一位になった頃、”乱藤四郎”が手を挙げて元気よく立ち上がった。

「プレゼント?何?どういう事?」

 軽く混乱状態になっているウチは、首を左右に振って両隣にいる沖田組に視線を送る。が、加州は呆れた感じで目を逸らして、大和君は笑顔を見せてくれるだけだった。

「主さん!」
「お誕生日おめでとう!!」

 ”愛染国俊”と”蛍丸”がそれぞれ別の物がのった皿を持って来る。
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