第1章 一周年!そしてーー
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去年の今頃は高校に書類を出すのが面倒くさくって、普通自動車の免許を今、取りに行っている。
進学した先の交通が不便すぎるのが、一年そこに住んで分かって、本気で取りに行っている。
「お!仮免、ウチと一緒で一発で受かったんだ…。」
ツイッターで大学で出来た友人が呟いていて、そこで友人と話した。ウチも仮免は一回で受かった。大学の試験は追試とかになるのにね…。
スマホを机に置いて仰向けに倒れる。ウチの視界にカレンダーが映った。
今日で、19歳か…。早いな。
二月のページのカレンダー。それの14日に<千隼の誕生日>と書かれて、印が付けられていた。
そう、ウチの誕生日はバレンタインデー。何が悔しくて、彼氏いない歴=年齢のウチの誕生日がコレなんだよ!!
「ウチにとっちゃー、この日はケーキを食べる日だし。」
あ~あとか言いながら、昼寝しようとしていた。因みに今日は教習所はお休み。折角の誕生日だから休みたい。
寝ようと目を閉じていると、閉じた眼の中が暗くなった。目を閉じていても明暗は結構わかる。
何?何なの!?重くなっている瞼を薄く上げれば、ぼやけて人影が見える。
「誰…?」
「ありゃ?寝始めていたのかい?」
ぼやけていたウチの頭が一瞬ではっきりとする。聞き覚えのある男性の声。しかも、その声は花○さんの声。ウチの大好きな声。
「髭切さん!?はぇ?な、ええええええ!?」
「主、うるさいぞ。」
さらに突然の登場に驚いくウチに岡○君の声が追い打ちする。何故?
「膝丸さんも!?」
「おはよう。」
「兄者、”おはよう”にしてはもう日は高いぞ。それにだ、我らが源氏の重宝の主なのに、何だその怠けは。」
”兄者”と”髭切”さんを呼び、その声は優しいのにウチに対してはめちゃ冷たい様な気がする。まあ、”膝丸”さんのそれは今に始まった事じゃないけど。
「遊びに来たんですか?っていうか、何かあったんですか?」
文字通り目と鼻の先に髭切さんがいるから、距離をとる為にウチと彼の間に隙間を空ける。その声とAPP18の顔が近くにあるのはウチにとって毒になる。
膝丸さんも同様。
「遊びに来たって言うよりーー、」
「君に用があって来た。」
目の前の兄弟はアイコンタクトをしたら、ウチの方に二振りの手が伸ばされる。
「兄者、ここは俺が。」