第8章 Last Episode
まだ11月なのに、
なんだか物凄く寒かった。
私はスキップするように軽い足取りで
あの場所へ向かった。
そう。
あの自然公園のブランコへ。
少し夕日がまぶしくて
世界が茜色に染まっていた。
久々に来たあの公園は
なんだか以前よりちょっぴり寂れていたようだった。
あの約束のブランコは未だに健在だった。
風で小さく揺れているブランコに私は腰掛た。
そして小さくゆっくりと漕ぎ出した。
あの時もこんな夕日の中で
約束した。
でもあの時はもうちょっと暖かった気がする。
ただひたすら過去を思い出しながら
ブランコを漕いでいた。
"トン"
ふと誰かが私の背中を押した。
「!!!」
私は後ろを振り返った。