第8章 Last Episode
あれから約3年の月日が流れた。
私は大学生になっていた。
あの日から結局私は一度も和ちゃんと連絡を取ることはなかった。
メアドも電話番号も知っていた。
でも、和ちゃんからも連絡は来なかったし、
私からもしなかった。
ちょっと夢見がちかもしれないけど、
運命とかそういうのを信じてみたかったから。
私は新しい街にもすっかり慣れていた。
「佳代!今から一緒に天神に遊びにいかん?」
同じサークルの友達の麻美から話しかけられた。
「あ、今からはちょっと…」
「もぉ!麻美ぃ!今日は佳代の運命の日やろ?邪魔しちゃいかんよ!ねっ!」
由香がそう言って私の顔を覗き込んだ。
「あ!そうやったね!今から東京いくんだっけ?気をつけてね…って時間やばいっちゃない?」
麻美は時計を見て言った。
「…あ!本当だ!やばい!」
「あー!もう!バカっ!ほら!駅まで送っちゃるけん!乗りな!」
そう言って由香は私をバイクに乗せてくれた。
そして駅まで送ってくれた。
「由香!ありがとう!」
「いいんよぉ。佳代、なんで飛行機じゃなくて新幹線で行くん?」
由香は不思議そうに聞いた。
「んー…こだわり…かなっ!」
そう言って私は笑った。
「そっか!変な奴やな!まぁ、気ぃつけて行って来るんよ!」
「うん!由香!ありがと!」
そうして私は由香と別れて急いで新幹線に乗り込んだ。
東京に着く頃には
すっかり夕方になっていた。
見慣れたあの街に戻って来て
なんだか懐かしい気分になった。