第7章 ~真実編~
佳代の教室に向かうと佳代は丁度教室から出てきた。
「…佳代!」
俺が彼女を呼ぶと、彼女は少し驚いたように振り返り、
そしてふわっと笑ってくれた。
「あ!真太郎!久しぶり!どうしたの?」
「あの…引っ越すと聞いたのだよ。」
「うん。来週ね、九州の方に引っ越す事になったんだ。」
「来週!?九州!?」
「うん、お父さんが転勤でね。なんだか寂しいなぁ…」
「来週のいつなのだよ?高尾は知ってるのか?」
「10日の17時の新幹線で行くんだ。和ちゃんは…多分、うちの親が話してると思うから知ってると思うよ。」
そう言って佳代は寂しそうに笑った。
「ごめんね、真太郎。私、結局和ちゃんとは一緒になれなかった。」
「…それで本当にいいのか?」
俺がそう聞くと佳代は一瞬驚いた顔をして
また笑顔になった。
「うん。これがお互いのためだと思ってる。」
「…おかしいのだよ。」
「…うん、じゃぁ、またね」
そう言って佳代は去っていった。
そして、俺は高尾のところへ向かった。