第7章 ~真実編~
すっかり冷え込み、手の感覚がなくなっていた。
諦めて帰ろうかとも思った。
でも、来ると信じていた。
何時間経っただろう。
ふとこちらに向かってくる足音が聞こえそちらを見ると
「…真太郎!!」
息を切らしながら彼女が駆け寄ってきた。
「全く…すごく待ったのだよ。」
「でも、絶対来てくれると信じていたのだよ。」
そう言って俺は赤くなった彼女の頬に触れた。
とても暖かかった。
「ごめん、ごめんね。」
彼女は俺の手を両手で包み精一杯温めてくれた。
その姿が愛しくてしかたなくて
思わず彼女を強く抱きしめた。
「会いたかったのだよ。」
「ごめんね。」
彼女も泣きながら抱きしめ返してくれた。
嬉しくてたまらなかった。
そして、俺は彼女を連れて学校の体育館へ向かった。
そこが唯一自分が強くいれる場所だと思ったから。
そして、そこで
彼女に
別れを告げた
彼女は最後まで優しくて
涙が止まらなかった。
でも泣いてるところを見られたくなくて
最後に少しだけ彼女に冷たくしてしまった。
これでよかったんだ。
これで…