第7章 ~真実編~
そんなある日のことだった。
今日は部活が休みで佳代と一緒に帰る約束をしていた。
が、委員会の仕事が急に入り、
どうしても帰ることが出来なくなった。
生徒会室に向かう前に佳代に伝えに行こうとしたが、緊急という事で行けなかった。
しばらく生徒会室で委員会活動をしていると
高尾と佳代がやってきた。
佳代に一緒に帰れない事を伝えると、
少し寂しそうな顔をしたが、
『大丈夫』とふわっと笑った。
でも、やっぱり寂しそうな彼女をほっておけなくて、
俺は高尾に彼女と帰ってもらうように頼んだ。
高尾は少し複雑な顔をしていたが了承してくれた。
よく考えればこの時俺は高尾の事を全く考えていなかった。
委員会活動が終わり、帰る頃には
さっきまで降っていなかった雨が降っていた。
朝から天気予報で夕方から雨と言っていたから
傘を持ってきていた。
俺はその傘をさして学校を出た。
しばらく歩くと公園が見えてきて、
そこには傘もささずに座り込む男が居た。
変な奴だな。
そう思って見つめて居ると
なんだか見覚えのある奴だと気がついた。
高尾だった。