第7章 ~真実編~
いつの間にか抑え切れなくなったはじめての感情を
どうする事も出来なくて、
俺は高尾に頼った。
「た、高尾。聞きたいことがあるのだが…。」
「ん?なんだ?」
「わ、笑わずに聞けよ?」
「えぇ?何?何?超気になる!」
そう言って高尾はニヤニヤしながらこちらを見た。
「あ、あの、坂梨…彼氏とか居るのか?」
「あ?佳代?さぁ、いないんじゃね?なんで?」
高尾は眉間にシワを寄せて不思議そうな顔をしていた。
「…す、好きかもしれないのだよ。」
高尾の坂梨に対する気持ちなんてすっかり忘れていた。
「は?誰が誰を?」
「お、俺が…坂梨を」
「え…?」
高尾はポカーンとした様子だった。
思わずはっとなった。
しまった。
「…っ!!もういいのだよ!」
そう言って俺はすぐに席に戻った。
そして、己のしてしまったことに後悔した。
俺は高尾の気持ちを知りながら…
そんな時、ふと自分の中の悪い考えが働いてしまった。