第5章 中~僕編~
放課後になった。
「おっしゃ!真ちゃん!部活いこうぜぇ!」
「うむ。」
そういって教室から出て部室に向かっていた。
「真太郎っ!!!!」
ふと後ろから佳代が真ちゃんを呼んだ。
あまりにも大きな声でちょっと驚いて振り向いた。
「佳代、どうしたのだよ?」
「来て。」
そう言って佳代は真ちゃんをひっぱった。
なんだか怒っているような感じだった。
ふと佳代と目があった。
佳代は俺を睨みつけた。
「え?何をいってるのだよ、今から部活なのだよ」
真ちゃんは困惑しているようだった。
俺と佳代の顔を交互に見ていた。
「いいから…来て!」
相変わらず佳代は俺を睨みつけて言った。
「お、おい!高尾!少し遅れると先輩達に伝えててほしいのだよ!」
そう言って二人はどこかへ向かって歩きだした。
俺は一人で部室へ向かった。
…なんであの時佳代は
真ちゃんじゃなく俺を睨みつけたのだろう。
昼間の態度が気に食わなかったのか…
なんだかもやもやしたまま部室で着替えた。
そして部活がはじまって数分して
真ちゃんが急いで体育館に現れた。
そして何故かジャージのチャックを上まで閉めて
今日のわがまま1回分を使ってまで脱ごうとしなかった。
理由を聞いたが無言で首を横に振るだけだった。
でも、部活が終わり着替える時に少し見えた。
真ちゃんの首にはキスマークらしきものがついていた。
再びあの時のようななんとも言えないイラ立ちが
俺を襲った。