第4章 上~僕編~
放課後になり、俺は真ちゃんを佳代の教室まで引きずって連れて行った。
真ちゃんは駄々っ子のように嫌がった。
「あぁ!めんどくせぇ!佳代に嫌われんぞ!?」
「…そ、それは嫌なのだよっ!」
「…っぷ、子供かよ」
「!!そんなことないのだよ!」
そうしているうちに佳代の教室に着き、
荷物をまとめる佳代の姿が目に入った。
「ほら、早く行けよ!佳代帰っちまうぞ?」
「い、いやなのだよ!高尾もついてくるのだよ!」
真ちゃんはいつもの堂々とした態度ではなく
ものすごくびびっていた。
「ばぁか!俺が行ったら意味ないっしょ!?早くいけって!」
俺は半ば強引に真ちゃんを押し出した。
ブツクサ文句を言いながらも真ちゃんは佳代のところへ行った。
楽しそうに話す二人を見ていると
また、胸がズキズキと痛んだ。
久々に見る佳代はなんだか少しいつもより可愛く見えた。
そうしているうちに真ちゃんが嬉しそうに戻ってきた。
「お!どうだった?」
「メアド教えてもらったのだよ♪」
「あ?付き合ってって言ったか?」
「え?言ってないのだよ!」
真ちゃんはドヤ顔をした。
「いや、今その顔する所じゃねぇーから!おい、行くぞ!真ちゃん!」
俺は真ちゃんの腕を引っ張って佳代のところへ向かった。