第4章 上~僕編~
それから俺は家について気がついた。
あぁ、そうか。
俺…あいつのこと
佳代のこと…
好きだったのか。
そう思うと途端に涙が溢れた。
まさか高校生にもなって泣くとは思わなかった。
「…っは。まじだっせぇ…。」
でももう遅い事には気がついていた。
佳代は真ちゃんは
真ちゃんは佳代を
お互いに好きだから。
三人で一緒にいるを想像すると胸が軋んだ。
だって俺って完全にお邪魔虫だろ…?
俺は朝練に行くと言って
佳代より早く家を出て先に登校するようになった。
そうして昼休みも理由をつけて
屋上へは行かなくなった。
気がつけば、もう一週間以上
佳代と話していなかった。
こんなに話さなかったのは…
はじめてかもしれなかった。