第3章 下~君編~
それから刻々と時間はすぎていき、
気が付けば、時刻は15時になっていた。
カーテンを開けて窓の外を見た。
雪が降っていた。
「…!!!」
私は急いで洋服を着替え、部屋を飛び出した。
「お母さんっ!雪って…いつから降ってる!?」
「えぇ?そんなの朝からずっと降ってるじゃない?今日は朝からずっと冷え込んでるからねぇ。」
「…うそ。どうしよう…。」
私は走って家を飛び出した。
まさかもう居るはずはない。
そう思っていても行かずにはいられなかった。
だって…
『それでも待つ。』
真太郎は真面目で
不器用で優しいから…
きっと建物の中に入らずに
いつもの場所で待ち続けてるかもしれない。
私は久々に全力疾走して走った。
雪は少し積もりはじめていて、
吐く息がいちいち白かった。
ずっと走り続けて
やっと駅前に到着した。
いつもの場所を見た。