第1章 上~君編~
久々に帰る帰り道はなんだか気まずくて
でも、喋らないと間が持たなくて…
私はずっと緑間くんとのノロケ話をしてしまっていた。
和ちゃんは「うん。うん。」とつまらなそうに相槌をしていた。
でも、他に何も話せなくて
私は帰りつくまでずっとずっと緑間くんの話をしていた。
「あ、佳代、一つお願いがあるんだけどさ」
「え?何?」
「俺、真ちゃんに借りてる漫画あるんだけど、返しててくれね?」
「うん!いいよ!」
「わりぃね。じゃぁ、俺の部屋まで来てくれる?」
「わかった!」
そうして私は和ちゃんの部屋に入った。
久々に入る和ちゃんの部屋は
昔より少し散らかっていて、男の子の匂いがした。
「和ちゃんの部屋なんか久々に来たなぁ。で、漫画はドコにあるの?」
「あぁ。その辺かなぁ…ちょっと探すからベットにでも座っててくんねぇ?」
「わかった!」
私は言われるままにベットに座った。