【ハイキュー!!】【R18】【短編読み切り】 A.A
第1章 A.A (1)
幼稚園時代からの幼馴染と彼氏彼女の関係になってからまだ一か月。
……まだ、キスもしてくれない。
キスだけじゃない。手も握ってない、私たち。
旭の中で、私ってまだ昔のまま?
彼女じゃなくて、ただの幼馴染?
……告白したのだって、私だし。
旭は、「え」と「あ」と「いいよ」しか言わなかった。
優しいから、断れなかった?
私、いつも旭にはちょっと強引になってしまうから……
でも。
私はどうしても旭がいい。
旭が好き。
……だから、私のことも、好きになって欲しい。
「決めた」
うん、と自分を鼓舞するように頷くと、2階に上がる。
脱衣所から覗くと、旭はまだシャワーしてる。
急いで浴衣を脱ぐ。
ブラも、パンツも、全部。
「旭」
声をかけると、ガタンと中で音がした。
「な、なに……?も、もうちょっと待ってて」
「私も浴びる」
「……え?」
「私も、一緒に入る」
すりガラスがはまったドアを開けると、もわっと白い湯気に包まれる。
「えっ!!!!」
うわっと、壁際に飛びのくように後ずさる旭の前にすべり入ると、後ろ手にドアを閉める。
基本1人用のシャワーブースは、2人入ると相手を遠ざける広さがない。
30センチ先に、旭の大きな身体がある。
「な、な、なにしてるの!? も、もしシャワー入りたいなら、俺今出るから、そうしたらゆっくり、」
「旭と入りたいの……っ」
「え……」
戸惑う表情が、湯気で霞んでても分かる。
旭のいつもの、表情。
困ったような、でも優しいからそれを面と向かって言えない……そんな顔。
やっぱり、私のこと、女としては見てないんだ……
「あ、あの、さ……」
「せまい……」
「ご、ごめんっ」
「なんで旭があやまるの!?」
「ごめん……」
「だからっ……」
急に恥ずかしさがこみあげてくる。
「……もういいっ」
私だけ、浮かれてるみたい。バカだ。
強行突破で、裸を見せたら、少しは反応してくれるかなって期待してた。
でも……