第11章 月のゆりかご/上杉謙信(謙信side)
人間とは不思議な生き物だな
愛香への想いを自覚した途端に、可愛くてしかたなくなるとは__
己の単純さに鼻で笑ってしまいたくなる
「まあ、構わない」
愛香に逢った時から
こうなる予感は心の奥底にあった。
ただ__認めるのが怖かった
また、失う事への恐怖
愛さなければ失う事もない。
そう思いながらも、愛香に惹かれてしまう
この腕に閉じ込めてしまいたい衝動を抑える事など出来やしない。
「あっ……」
乱暴に着物を乱し、胸に触れる
顎から首筋、鎖骨へと噛み付くように口付けをしてしまう。
俺の想いを愛香に伝えたい
心の奥底にくすぶっていた熱い想いが溢れて愛香を激しく求める。
「やめてっ……」
性急に激しく求めすぎたか?
俺の身体から離れようと胸を押してくる愛香の手首を頭の上で固定して自由を奪う。
「やめるつもりは__ない」
「いやっ……」
今更、やめるなんて無理な話だ。
まだ準備の整っていない蜜壷に男根をあてがう。
愛香が俺を受け入れてくれるか、不安と焦りがじりじりと胸を焦がす
「諦めて俺の女になるがいい」
「……謙信……さま?__その言葉の意味は?」
大きな瞳を見開き、頬は桜色に染まり
俺を見つめかえしてくる。
「いちいち言葉にしないと分からないとは……
バカか?」
言葉は不要だ
いくらでも本心を隠す事が出来る。
だが、身体は正直であろう?
俺は言葉より、身体に問う
愛香
俺を受け入れてくれるか?