第51章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/秀吉
「愛香……今宵は充分に甘やかせてやるから覚悟しておけよ」
そう言った秀吉は本当に目が垂れ下がって、更に妖艶な笑みまで浮かべていて───
恥ずかしいけど、私はお腹の奥がきゅっと絞まってくるのを感じてしまった。
秀吉に抱かれたい
蕩けるような愛撫が欲しい
そう思ってしまう自分がとても淫らな女に思えて、恥ずかしくて困る。
困ってしまうから私はつい、そっぽを向いてしまう。
すると秀吉の大きな手が私の顔を包み込んで唇が触れあう。
それだけなのに、胸がどきどきとして腰が疼いてしょうがない。
悔しいけど、秀吉に愛されるのが嬉しいし
「んあ……ぁ……ぁあ……!」
何より、頭が惚けてしまって何も考えられなくなってしまう。
秀吉の手が私の胸を揉み、唇が、舌が私の肌を熱く焦がしていく。
何も考えられなくなって、体は切なく痺れだして秀吉の愛撫を待ち望んでいる。
私ばかり夢中にさせられているのが悔しくて、秀吉はどうなのよ?
秀吉の状態を確認したくて、そっと秀吉自身に手を伸ばすと
「……かたくなってる……!」
「当然だろ──愛香を愛しているんだからな」
頬を火照らせ微笑む秀吉が愛おしくて、私はその厚い胸板に顔を埋めて背中に腕をまわした。
その瞬間、私の体の奥が熱く滾った秀吉自身に貫かれて
「んあっ……!」
「ンッ……ハァ……」
秀吉と同時に甘い吐息を吐き出す。
静かな部屋には私たちの吐息と衣擦れの音だけが響く。
秀吉の吐息、息遣いが私を高みへと導いてくれる。
今はそれに酔いしれよう
今夜は月がとても綺麗だから────
【秀吉】終