第11章 月のゆりかご/上杉謙信(謙信side)
一気に蜜壷に差し込むと
暖かな蜜が俺を受け止めてくれる。
「ふっ………んっ……!」
甘い吐息が愛香の口から洩れてくるのと同時に俺自身も熱に浮かされたように熱くなっていく。
愛香は、俺を受け入れてくれている__
その喜びに身体も心も震える。
「身体で感じるがよい__俺の想いを」
「__はい」
拘束していた手首を離し、指を絡ませ握り合う。
唇を寄せ、舌を求めて口内を荒らしていく
わずかに開いた口の端から心地良い吐息が、耳を刺激してきて頭が惚けそうになっていく。
腰をゆっくりと動かすと肉ヒダが絡み付いて離さない。
「あんっ……ふっ……け、謙信様っ」
絡め合った指に力が込められ、涙ぐむ愛香の口から
「……ずっと__好きでした……
貴方の中に他の誰かがいても……私は貴方を愛していたいのです」
言葉は要らない
信用しない__そう思っていた筈だが
愛香からの言葉がこんなにも嬉しいとは
頬を緩むのが隠せない
「あ……」
「ん?」
「笑ってくれた……」
幸せそうに微笑む愛香から視線をそらすことなど出来やしない。
まるで暖かい春の陽だまりの中にいるように
心が安らぐ
殺伐とした中でしか生きている価値を見出せなかった俺だが、初めて感じる安らぎに浸り
__ひと時の幸せそうに酔いしれよう
お前を決して離さない
*謙信side*Fin