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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第8章 「さん」付けの代償/徳川家康(家康side)


「えっと……あ、あのっ! 政宗にっ」

「ふーん……政宗さんのことは政宗って言うんだ」

「あ……!」

「俺、前に言ったよね?」

「……はい」

「さん付けは止めてって」




愛香と結ばれてから日は浅いけど__
結ばれた日の夜に俺は言ったんだ

「家康って呼ぶように」

その時の愛香の顔は今でも忘れられない。頬を染め照れ笑いしながら、遠慮がちに
「家康……」

そう呼んでくれた事が__
俺がどれだけ嬉しかったか
愛香には分かってなかったんだ


自分だけ喜んでいたなんてバカみたいじゃないか
だから、俺は余計に冷たい態度を取ってしまうんだ。



「別に気にしないけど」

「なーんだ?やきもちか? 見苦しいぞ」

「政宗さんは関係ないでしょ
……妬いてないし」

「ほう?」


政宗さんにだけは言われたくない。
俺と愛香の関係を知っているくせに
愛香にチョッカイをだすんだから


政宗から視線を逸らそうと顔をそむけると、
わざわざ俺の顔を覗き込んでニヤリと笑う

迷惑、やめてくんない?


イライラが爆発しそうで俺は、愛香に八つ当たりの言葉を残して台所を出ていった。
 


「あんたは、政宗さんと仲良くしてれば」





俺、みっともない__
分かっているだけに余計に苛つく。



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