第7章 「さん」付けの代償/徳川家康(夢主side)
「……俺以外の男に簡単に触れさせて」
「……っ」
家康が怒っているのが分かったから
身体を離そうとしたのに逆に力を込めて抱きしめられてしまった。
「……わかってるよね?」
「う、うん……」
顎に手をかけ、顔を上げさせられた私の瞳には憮然としている家康の顔
でも、その瞳は熱くゆらめいている
「……分かってない。愛香に触れていいのは俺だけ……」
「んっ……」
激しく唇を吸われてしまい息が苦しい
こんなにも激しいキスをしてくる家康に戸惑いはあるけど__
求められている事が嬉しくて、一生懸命に応える
いつもより濃厚で激しいキス
そんなキスを交わしていると、頭の芯が甘く痺れてきてしまう
「んっ……」
気持ちが高ぶれば高ぶるほど、背中にしがみつく指に力が入ってしまう
それとは逆に足に力が入らなくなってしまい
がくがくと震えだして、立っているだけで精一杯になっていく
「家康……っ」
「まだコレくらいじゃあ……わからないよね?」
充分すぎるくらい分かったよ
言葉にして伝えようとするけど
「アンっ……」
ゆっくりと押し倒されて、首すじに鋭い痛みがはしった。
私に与えられた痛みが、家康の想いを伝えていると思うと__
その痛みでさえ愛おしくてたまらない