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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第7章 「さん」付けの代償/徳川家康(夢主side)


静かな部屋に響き渡る嗚咽と鼻水をすする音

何度めかのため息を吐いたあと、家康が静かに口を開いた。


「何で泣いてるの?」

「ふっ……んぐっ……だっ……て、き……きらわれっ……んぐっ……」


嗚咽が邪魔をして上手く喋れない。
ちゃんと言わなくっちゃと気持ちだけが先走ってしまう。


「ごめ……んっ……ひっく……きらっ……きらわないっ……でっ……」

「……愛香」



家康の掠れた声がしたと思ったら、温かい手が頬に触れた。


そのまま顔を上げさせられて、視線をそらしたかったけど……


「!!」


家康が困ったような顔をして微笑んでいたから、私は視線を外せなくて見つめてしまった。



「……不細工な顔」


酷い言葉を私に投げかけるけど、優しく私の涙を拭ってくれる。



「バカじゃないの?」

「ふえっ?」

「俺があれくらいで愛香を嫌うわけないでしょ」

「っ!」


私の鼻を指で摘まむ家康の顔は、苦笑いをしていて瞬時に気持ちがわからない__


けど、「嫌うわけないでしょ」
その言葉だけで嬉しくて、しがみついくように抱きついてしまった。



「ふぁーんっ……ごめんなさいっ……」

「……謝らなくてもいいけど」

「?」

「__怒ってるよ」





……え?
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