第1章 嵐の夜のおあずけ/伊達政宗(夢主side)
昨夜のことを必死になって思い出そうとしているのに
政宗に愛撫され続けて
「ンンっ! あんっ」
吐息ばかりが洩れてしまう
「お、お願い…っ…」
「ん? もっと欲しいのか?」
「ちがっ……」
私の言いたいことが分かるくせに意地悪をするなんて
なんとか政宗の唇から逃れようと身体を捩ってもすぐに捕まってしまう
「あっ……だめ……」
「ダメじゃないだろう?(なんていう顔をしながら言ってるんだよ)」
囁くような甘い声に頭が痺れてきそう
まるで雷に打たれたような感覚
「あ……」
思いだした。
昨夜はなかなか寝付けなくて布団の中で
転がっていたんだけど、いきなり雷が鳴ったんだわ。
今までの私は、雷なんてさほど怖くはなかったんだけど
今は苦手。
雷の音を聞くとこの時代にタイムスリップした事を思いだしてしまうから。
私は、現代に帰りたくないの
この時代で生きていく事に決めたから
愛する人と離れたくない。
あと数週間でタイムワームが出現しても私は、帰らない。
あの時、雷の音を聞いていたら無性に怖くなって1人でいたくなくて部屋から飛び出してしまったんだ。