第51章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/秀吉
「……で?」
「うん……?」
「……なにやってんっ……の……!」
「……わかるだろ?」
「ばっ……んっ……やめ……!」
髪をかきあげられて甘い痺れが背中に走って、熱い吐息が耳に与えられて───一気に頭が沸騰してくらくらとする。
秀吉に対してイラついていた気持ちがきれいになくなってしまいそうになってしまいそうで
(本当は無くなったんだけど。でも、それを認めるとなんだか負けたような気がして認めたくない)
だから私は抵抗するように身を捩るんだけど……
「愛香……」
秀吉の艶を秘めた声に力が入らなくて、抵抗しているのかどうかわからない。
「……悔しい」
小さな声で呟いたのに秀吉には聞こえていたみたいで
「なにが悔しいんだよ」
甘い声が耳を揺らしてくる。
なんで無駄に甘い声で囁いてくるんだよ
その声のせいで言いたい事が言えないんだぞ。
つか……!
「どこ触ってんだよ」
「ん……?胸」
「勝手に触るなよ!」
「いやなのか?」
「うっ……!」
イヤだ───なんて言えるわけないじゃん。
触られて気持ちいいもん。
でも!
そんな事、秀吉に言えるわけないじゃん。