第48章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/幸村
「幸村は……ずるいよ」
「あ……?なにがだよ」
「……急に格好良くなってさ」
「はあ?お前なに言ってんの?」
呆れたような笑いをこぼすけど、瞳は凄く真剣で幸村の実直な性格があらわれている。
そんなあなたが私は大好き───
「ねえ、幸村」
「なんだよ」
「……信じているから」
(浮気なんて絶対にしないでよ)
「おう!俺を信じろ。俺は絶対にお前を泣かさねーから……つ!」
幸村の言葉が嬉しくなった私は胸ぐらを掴んでキスをする。
「おまっ……!」
「えへへ」
「えへへじゃねーよ。どうせ口付けをするならもっと艶っぽくしろよ」
「なに……文句あるの?」
せっかく私からキスしてあげたのに、なんでダメ出しをされなくっちゃならないのよ。
「歯を当てるなよ」
あら?
勢いがよくて歯が当たっちゃった?
(恥ずかしいんだけど)
「口付けつーのはこうやるんだよ」
「んっ……」
頭を引き寄せられて唇が重なっていく。
優しく丁寧なキスとは言えない荒々しいキスだけど、そんな幸村のキスが私は大好き。
だから、私は幸村の首に腕をまわしてキスを受け止めていくの。
もっと私にキスして───