第48章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/幸村
口内を荒らす幸村の舌の動きに懸命についていく私。
息を吸うタイミングも計れずに浅い呼吸を繰り返していると体が甘い痺れに支配されそう。
「んっ……ぁ……っ……」
荒々しくも激しい唇は、私の唇だけではなく耳やうなじ──鎖骨、胸にまで
「幸村……っ……!」
時々、体に甘い痛みがはしってそのたびに幸村の頭を抱えこんでしまう。
激しく愛されている私の体は火照りが治まらない。秋風が冷やすように吹いているけど、一向に治まる気がしないよ
幸村の腕の中で熱は更に高まっていくよ
あなたを感じるたびに私の体は熱く滾っていく
頭は惚けて、ここがどこだかもわからなくなってしまいそう。
ただ幸村の愛撫に夢中になってしまって
「わたしばっかり……」
「……?」
「わたしばっかり……幸村に溺れさせられてる……」
「そんな事ねーよ」
大きな手のひらが、私の火照った頬を包み込んでいく。
「俺だってお前に溺れてるぜ」
そう言って微笑む幸村は普段は見せないような艶っぽさを帯びていて、更に私を溺れてさせていく。
「うそつき……」
「嘘じゃねーよ……その証拠に……」
「んあっ……!」
胸の頂きを激しく吸い上げられてしまい、痙攣をしたかのように跳ね上がってしまう。
「どんなに肌を重ねても足らねー。お前が欲しくて欲しくて止まんねーんだよ」
はにかんだ笑顔にまたも心を鷲掴みされてしまう
押し寄せてくる幸村への甘い想いを抱えて、私は幸村の背中に腕をまわして瞳を閉じた────
「俺が惚れているのは愛香だけなんだからな。忘れんなよ」
「ん……」
唇が熱くなったと同時に体の奥は幸村の重みを一心に受け止めていく。
【幸村】終