第44章 桜舞い踊る/伊達政宗
「それにしても本当に綺麗だよね」
時折、風が吹いて桜の花びらが宙を舞う
夢の中にいるみたい……
「気に入ったか?」
「うん、とっても__あ……」
風に舞っていた花びらが私の唇についたみたい
指で取ろうとするけど、手首は縛られたまま
「政宗、手首の紐をほどいて」
「……」
「?」
何故か黙ったまま、私を見つめる政宗
「縛られた愛香もなかなか良いな」
「え?」
にやりと笑う政宗になんだかイヤな予感してくる。
「政宗……早く紐を……唇に花びらがついて気になるよ」
「気にするなよ」
政宗独特の低くて甘い声が耳に直接響いてくる。
その声を聞いただけで、お腹の奥が疼いてしまうなんて……
(私、エッチだわ)
「唇がくすぐったいんだもの」
「愛香の唇に口付けするとはいやらしい花びらだな」
「あ……」
後ろに回されていた手首が、縛られたまま頭上にと導かれゆっくりと押し倒されてしまった。
「政宗?……何を……っ……」
妖しい光りを瞳に宿し、ゆっくりと顔が近づいてきて__キスされるって分かっているけど……桜の花びらが舞う中で見る政宗がとても綺麗で、瞳を閉じる事ができない
そんな私を見て満足気に微笑むと唇で花びらを摘まむ。
どうして政宗は、いちいち格好良いの?
その度に私は見惚れてしまい好きな気持ちが溢れてとまらない。