第44章 桜舞い踊る/伊達政宗
数歩くらいかな?
おっかなびっくりで歩いていると、頭を抑えつけられて座るように言われた。
家康さんの淡々とした口調に反論する事も出来ずに素直に従ってはいるけど……
何も見えなし、何も教えてくれないんだもん
怖くてしょうがない。
そんな不安になっている私に三成くんは「愛香様は、幸せ者ですね」って言ってくる。
突然、目隠しをされて手首を縛られて
何処かに連れて行かれる私のどこが幸せ者なのか……
さっぱりわからない。
しかもかなり揺れているんだけど?
(多分、籠の中よね?)
「三成!! そっちじゃない」
「え? ここを真っ直ぐでは?」
「……違う。曲がるんだよ」
「夜道は暗いのでわかりにくいですよね」
「……道を覚えてないだけだろ」
家康さんと三成くんが籠を背負ってくれているようなんだけど、大丈夫なのかな?
相変わらず呑気な三成くんの声とイライラを露わにしている家康さん。
「ねえ……何処に行くの?」
「……内緒」
「もうちょっとで着きますよ」
「三成!!……道が違う」
「おや?」
「……俺が前を歩く」
「大丈夫ですよ、任せて下さい」
「任せられないからって言ってるんだけど」
「家康様は心配性ですね」
「あんたを信用してないだけ」
__ねえ、私はどこに連れて行かれるのよ!!
涙でそう