第43章 愛の毒/徳川家康
「ねぇ……たまには外の空気が吸いたいんだけど……」
「駄目」
考える間もなく即答する家康の瞳は冷たく愛香を見据える
さっきまでの優しさの欠片を見れない雰囲気に愛香の心は竦んでしまいそう
そんな気持ちを悟ったのか、柔らかく笑みを作り
「体の毒を抜くには陽の光りを浴びてはいけないんだよ……わかるよね?」
幼子に言い聞かせるような優しい声音に竦んでいた心がホッとほどけていく
「……ごめんなさい」
「うん、わかればいいんだよ」
おでこに口付けを軽く落とし、そのまま愛香を横たえる。
愛香の手を取り、頬ずりをする家康はうっとりと恍惚とした表情を浮かべていた。
愛香のすべてが愛おしい
ダレにも触らせたくナイ__
この指も俺だけが触れていいんだ
頬に触れている手のひらに唇を寄せ、唇に触れる指を咥え軽く歯をたてる
「あ……」
吐息とも喘ぎともとれる声に男根が起き出してくる。
軽く噛んでいる歯が物足りなさを感じ、つい力を込めてしまう
「っ……」
痛みに顔を歪ませる愛香が家康の心を満たしていく
「……痛い?」
「当たり前でしょ……噛まれているんだから……え?」
「……痛いんだよね?」
噛まれたら痛い
それはごく普通の事
でも、愛香は毒によって痛覚でさえ失っているはず
「私……治った?」
喜びが胸に広がっていく