第43章 愛の毒/徳川家康
「薬の時間だよ」
寝ている愛香の首に自分の腕を差し込み、身体を起こしてくれる。
飲みたくない……
だって、この薬を飲むと変になるんだもん
なかなか口を開かない
そんな愛香に手慣れた様子で家康は、指で愛香の口を優しくこじ開けた。
「……ちゃんと飲んで」
小さな丸薬を口の中に放りこみ、家康は自分の口に水を含むとそのまま愛香の口内に水を流し込込む。
こくりと喉をならし、愛香は薬を飲み込んでいく。
「飲み込めた?」
「うん……」
やだ……
また、頭がぼうっとする……
家康が飲ませてくれる薬を飲むと頭に霧がかかったような感じになってしまう。
何も考えられずに呼吸だけが、荒くなっていく
「何も心配しなくていいから」
愛香が俺の腕の中にいる
俺が助けてあげないと生きてはいけない
そう考えると嬉しくて笑みがこぼれてしまう
どこのどいつだか知らないけど、一応感謝してあげるよ
おかげで自然に愛香を手に入れる事ができたから
「あんたの傍にずっといるから」
「うん……」
家康の胸に顔を埋めてくる愛香が愛おしくて堪らない。
抱きしめる腕に力が自然にこもっていく
__離さナイヨ