第40章 素直になれなくて/織田信長
横抱きにされたまま私が連れて来られたのは天守にある信長様の寝所の隣りにある部屋
秀吉さんから聞いた事がある。
信長様の寝所の隣りの部屋は正室になる方の部屋だって
初めて入るその部屋は南蛮から取り寄せたと思われる家具が揃っていて、信長様らしい。
その中でも一番目にはいったのは天蓋付きのベット
豪華な細工をしてあるけど、とても気品が漂っている
その上から吊されている布地も細かい刺繍がされているレース地
「素敵……」
「気に入ったか?」
「はい!とても……って?」
ここは正室になる人の部屋……だよね?
「今宵から貴様の部屋だ」
「そ、それって……」
え?
つまり……
「信長様……」
「なんだ?」
「この部屋は正室になる方の部屋……ですよね?」
「如何にも」
「えっ……と、それって……?」
「俺が生涯愛する女は愛香……貴様だけだ」
「……っ」
嬉しくて言葉が出ない
死にそうになるくらいに嬉しい
信長様の首にしがみつくように抱きつく
背中に回された手に力を込められて惚けてしまいそう
ふわりとベットに寝かせられて、信長様の体重が私にかかってくる。
「私も……愛してます」
「当然だ……」
唇が溶け合うくらいに重ね合う
悔しいくらいに私は信長様に溺れてしまう