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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第40章 素直になれなくて/織田信長


信長様……
きっと怒っているだろうな

私が夜伽を断ったから
きっとあの姫君を夜伽に所望するんだよね


「ふっ……っ」


涙がこぼれて止まらない。
手で口を覆っていないと大きな声をあげてしまいたくなる。

信長様があの姫君を抱く__


毎晩、私を酔わせてくれた手があの姫君に触れるの?
逞しい胸に私が顔を埋めたように、あの姫君も顔を埋めるの?
低い甘い声であの姫君にも愛を囁くの?



「そんなの……そんなの嫌っ……!」


耐えられない!
私を愛してくれた腕の中に他の女を入れないで

信長様が他の女を抱くのを想像しただけで気が狂いそうになる。

息も出来ないくらいに胸が痛い。
  

「……だめっ」


溢れでる涙を拭いながら信長様の後を追いかける。



「待って!! 信長様っ!!」


遠くに見える信長様の背中に駈け寄りしがみつく。


「だめっ!!」

「何がだ?」

「私以外の女を抱かないで!!」


我が儘だってわかってるよ
自分勝手な想いを押し付けてるのだってわかってる

でも、それでもイヤなんだもん

信長様が私以外の女と愛し合うなんて!!


「……お願いだから」

「ようやく素直になったか」

「え……?」


背中から回していた手に重なる信長様の大きな手
その手のぬくもりが愛おしい。


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