第38章 俺様に薬を飲ませるための代償/織田信長
「信長……さま? あの……いま、じ……」
恥ずかしくて言葉に出来ないよっ
「自慰だ……貴様のいた時代では『おなにー』というんだったか?」
「どうしてそんな言葉を知っているんですかっ」
「俺の情報網を甘くみるな」
自慢気に笑みを浮かべているんだけど
情報って佐助くんからだよね?
(いろいろと突っ込みたいけど今はスルーしよう)
「そんなこと出来ません」
「出来ぬであれば仕方あるまい。俺は薬を飲まぬ」
ひどい……
あまりにも無茶ぶりすぎるよ
素面でそんな事出来ないよっ
(酔っていても出来る自信がない)
信長様が言いだしたら意見を代える事はない。
それは私にだって分かっている。
薬を飲んでもらうには方法は1つ
__やるしかない
分かっているけど……
恥ずかしくて行動に移す事が出来ない
「どうした? 出来ぬのか?」
「いきなり言われても……心の準備が……」
「それもそうだな__
では……」
「ん?……っ」
乱暴に着物の襟をずらされ露わになった私の首に軽い痛みがはしる。
「少しくらいなら手伝ってやる……」
「ふ……ンッ……」
いつもより熱い吐息が、敏感になっている肌を擽っていく
信長様の首に手のひらを当てると
熱い……
いつもは冷たいのに
熱が高い証拠だ
やっぱり薬を飲んでもらわなくっちゃ
そのためには……
(ヤるの? やっぱり、ヤるしかないの?)
マジで涙がでそうになる……