第38章 俺様に薬を飲ませるための代償/織田信長
秀吉さんが信長様の体調の変化に気付かないうちに無事に軍議が終わった。
1人で天守へと向かう信長様の姿を見届けた私は、みんなにバレないように天守へと向かう。
広間を出る前に
「くれぐれも失敗するなよ」
「織田家の命運は愛香にかかっているんだからな」
何度も光秀さんに念を押されてしまったので、失敗は出来ない。
なんとしてもやり遂げなければ……
光秀さんの嫌味な小言を何日にもわたって受けなくてはならなくなる
(それは絶対にいや)
それに私だって風邪をひいてだるそうな信長様を見ているのは辛い。
好きな人にはいつだって元気でいてもらいたいもんね。
ちゃんとお薬を飲んでもらって早く元気になってもらいたい。
でも一抹の不安はある
素直に信長様が風邪をひいたのを認めて薬を飲んでくれるのか……
多分、素直に認めてはくれないと思うんだけど
(説得するのが大変そう)